Yucky☆マニア~Special Fan book~
そしてアイツを抱きしめた瞬間


『俺が欲しかったのはこれだったんだ。』


そう思えて泣けてきた。




ずっとずっと欲しかった。


拓真に笑うみたいに
特別な笑顔を自分に向けて欲しかった。


あの甘ったるい瞳で
俺のコトを見て欲しかった。


あの困ったような瞳で
俺を求めて欲しかった。





ずっとずっと欲しかった。




俺だけを見てくれる
俺だけの美織が欲しかった。






“幼なじみのキョウちゃん”じゃなく


アイツにとって唯一無二の“特別なオトコ”にずっとずっとなりたかった。



……拓真みたいに。





そんな日は
あの雨の日が俺たちに横たわる限りはありえない、とわかっていても求めずにはいられなかった。






憧れ続けて
手に入れたくて
愛しすぎて
むやみやたらと傷つけた、美織。




手に入るはずのない、俺の幼なじみ
可愛くて憎らしい、俺の人間悪魔




そんな美織が
今、俺の腕の中にいる。





なぁ、美織。
俺、オマエのコト好きでいていいのか??


抱きしめていいのか?
キスしてもいいのか??


無理やりじゃなくても
力づくじゃなくても
オマエは俺を受け入れてくれるのか…??



オマエに…優しくしてもいいのか…??



それを確かめたくて
俺は何度もキスをする。


アイツの頬に
おでこに
唇に


ありったけのキスをする。





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