恋愛トライアングル



「――できたっ」



私がアリの髪の毛から手を離すと、目の前の頭が飛び上がった。



「ありがとアキっ」



くるりと私を振り返る彼女の目は、キラキラ輝いている。



「はやくしないとアツが来るでしょ」

「だから急いでるんじゃん」

「私、先に下行ってるよ?」

「待って待って」



ドアノブを掴んだ私の手がとまり、呆れながらアリの方を見ると、案の定、彼女はあたふたと動き回っていた。


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