恋愛トライアングル
ドタドタと、二人の足音が階段に響いた。
「ちょっ、アリ! 押さないでよっ」
「アキが遅いんでしょ!」
「慎重なだけですー」
「階段ごときに慎重になる必要ないし」
後ろから、私よりかすかに高い声が飛んでくる。
「明彩(あきさ)! 有彩(ありさ)! 敦也(あつや)くんもうすぐ来るわよー」
リビングから顔を出したお母さんが言った。
「はーい」
返事をするタイミングは、見事に一緒。
さすが、双子。