彼氏くんと彼女さんの事情
「何、無視?都合が悪くなると黙るとか、まじムカつくんだけど」
「………」
「何か言えよ」
女子の嫉妬って恐い。
何も言わない私に苛々が増してきたらしき高倉さんの口調が、荒いものに変わっていく。
「……ていうか正直、中原さんと春川くんって合ってなくない?」
「たしかにー」
うるさい。
言われなくても知ってるし。
「中原さんってさ、“フツー”って感じじゃん?だからさ、もっとフツーな感じの人のがあってるんじゃないの?春川くんとは不釣り合い」
先程の苛ついた表情とは違い、私を見下すように薄笑いを浮かべて言う高倉さん。
何であんたにそんなこと言われなきゃいけないの?
私は下唇を咬み、言い返したいのを必死に堪えた。
「まず、春川くんって本当にあんたのこと好きなの?
昼休みよく中原さん春川くんの所行ってるけど、鬱陶しがられてるだけみたいに見えるけど」
「ウケるー」
うるさいうるさいうるさい。
ケラケラと笑う二人をキッと睨む。
「全然、好きそうじゃないじゃん。……春川くん、仕方なく付き合ってくれてるんじゃないの?」
「かわいそー」
「うるさいっ!!」
とうとう我慢できずにキレてしまった。