アルフォドル


 テュールは怪訝な顔で首を傾げた。


「どういうことですか?」


「アルフォドル組織は壊滅したのよ。どっかの優しい人が爆破したらしいわ」


「そんなバカな?! アルフォドルは、僕達戦士を産み、どの戦場でも摘要し、戦えるよう訓練された、いわば特別養成所ですよ! そこが爆破されただなんて信じられません!」


 あまりの信じられない言葉に、驚きをあらわにして叫ぶと、ようやくセントラルシティーへとたどり着いた。

 入口は立入禁止の網が張られている。

 一つの監視カメラがバイクを捉えると、網はギィッとひとりでに開いた。

 古びた工場やマンションが建ち並ぶ廃墟した街。


 20年前、栄えていたはずのセントラルシティーは、テロ組織により壊滅状態まで追いやられ、今では汚染された場所として、ネズミ一匹住まないとされる場所。


 だがオーデンはテュールを連れて、奥の工場へとバイクを進める。


 バイクを停めると、数人の気配を感じた。

 
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