愛恋歌-tinkle tone-
それからしばらくして彰はホテルを出ていった。
一人になって閑散とする部屋…
私は机に置かれた5000円札を見つめた。
「残りは出しといて」と彰が置いて行ったものだ。
あんな紙切れ一枚で部屋を借りて、決められた時間内で好きでもない相手と身体を重ねて満足する。
はぁ…
何だか虚しくなって溜め息が漏れた。
~♪~♪~♪
シンッと静まりかえる室内に突如うるさい程の着メロが鳴り響く。
「彰だ…」
サブ画面に表示される名前を見ながら携帯を開く。
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From:彰
Sub:non title
今日も気持ち
よかったぜ
またよろしくな
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「………」
パタン…
もう一度溜め息が漏れそうになるのを抑えながら、何も返事することなくそのまま携帯を閉じた。
そしてシャワーを浴びて精算を済ませると一人ホテルを後にした。