理想恋愛屋
「いるって言ったり、いらないって言ったり。どっちなのよ!」
八つ当たりモード全開だが、どうにもハッキリしない彼女にオレも苛立った。
だから、言ってしまったのかもしれない。
「労わるとか、感謝の言葉とか、キスの一つでもあれば言わねぇよ!」
───トンデモナイことを。
エアコンが効いているはずなのに、一瞬にして事務所内の温度が冷えていく。
そして、彼女がゆっくりと唇を開く。
「……キス、すればいいわけ…?」
次第に時代に気づいたオレは、ジワリジワリと冷や汗が背中を伝う。
「え、あ、いや、そういうわけじゃなくて……」
というか、感謝を口にするという簡単なことは、彼女の中では即排除されたらしい。
真正面に向き直る、真剣な瞳。
どっくん、どっくん、とあられもない心臓の音が恥ずかしい。
「じゃあなんなのよ!ああでもない、こうでもないって、情けないわね!!」
「な、なんだと……!」
急に黙ったと思ったら、また怒り出す。
売り言葉に買い言葉だったけど、改めて口に出されると腹が立つ。
確かに、ここ一番というところで、なかなかキめきれないオレではある。
だが、いやいや、それはオレなりの優しさだったりする。……時々、だけど。
しかし彼女だって後に引けないのか、更に便乗してくる。
「たまにはビシっと決めたらどうなのよ!!」
そこまで言う彼女に、オレも言ってしまった手前、引くに引けないわけで。
そして、何故かオレがすることになっているんだけど。
八つ当たりモード全開だが、どうにもハッキリしない彼女にオレも苛立った。
だから、言ってしまったのかもしれない。
「労わるとか、感謝の言葉とか、キスの一つでもあれば言わねぇよ!」
───トンデモナイことを。
エアコンが効いているはずなのに、一瞬にして事務所内の温度が冷えていく。
そして、彼女がゆっくりと唇を開く。
「……キス、すればいいわけ…?」
次第に時代に気づいたオレは、ジワリジワリと冷や汗が背中を伝う。
「え、あ、いや、そういうわけじゃなくて……」
というか、感謝を口にするという簡単なことは、彼女の中では即排除されたらしい。
真正面に向き直る、真剣な瞳。
どっくん、どっくん、とあられもない心臓の音が恥ずかしい。
「じゃあなんなのよ!ああでもない、こうでもないって、情けないわね!!」
「な、なんだと……!」
急に黙ったと思ったら、また怒り出す。
売り言葉に買い言葉だったけど、改めて口に出されると腹が立つ。
確かに、ここ一番というところで、なかなかキめきれないオレではある。
だが、いやいや、それはオレなりの優しさだったりする。……時々、だけど。
しかし彼女だって後に引けないのか、更に便乗してくる。
「たまにはビシっと決めたらどうなのよ!!」
そこまで言う彼女に、オレも言ってしまった手前、引くに引けないわけで。
そして、何故かオレがすることになっているんだけど。