似非恋愛 +えせらぶ+

「……斗真、ごめん、帰ろう」
「どうし……」

 向こうも私達の姿に気付いたのか、こちらを見ている。その姿を見た瞬間、斗真の表情が険しくなる。

 真治だった。

「斗真、行きましょう」
「ああ」

 私達は早々にその場を去った。

 真治の私達を見つめる冷たい瞳が脳裏に焼き付き、嫌な予感がした。






















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