舞い散る花の導く先に
山「なんとか消毒はしましたが・・・血が止まりません」

山崎が苦渋に満ちた表情でこちらをみる。

土「くっそ!!このままじゃ呉羽は・・・」

“死んじゃうね”

原「え?」

“このままは呉羽は死んじゃうよ?どうする?”

沖「この声・・・」

土「雅か!?てめえどこにいやがる!!」

“さあ?それより、呉羽を助けたいならそのこの机にある薬を飲ませなよ”

声の通りに机を見ると確かに薬が置いてある。

沖「この薬は?」

“信じるも信じないもあななたち次第だよ。でも助けたいなら急いだら?”

どこか楽しげな声が部屋に響く。

土「くっそ、こうなったら飲ませるしかねえ」

そう言ってそっと呉羽に薬を飲ませる。

するとみるみる傷口がふさがり、血が止まる。

沖「へえ、すごい劇薬なんだ」

原「こんなことってありえるのか?」

皆驚きの表情を隠せずにいる。

“起きたら呉羽に聞いてごらんよ。まあ、呉羽だったらだけどね”

くすくすと声が聞こえる。

土「雅、てめえそれはどういうことだ!!」

“皆はのちに呉羽の正体を知ることになるよ。それはまた今度だけどね”

そう言って雅の声は聞こえなくなった。

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