―三年間―

・地区大会


小さい頃の男の子に
あいつが似ていた。

やさしくて…でも、
どこかぎこちない。

だからあたしは
話そうと思ったのかな?

大嫌いなんだけど
聞いてほしいって
思ったのかな??


あいつは一言も話さず
に黙って聞いてくれた。



「あたしが出てもし
負けたりとかしたらって
思うと、怖い。
だって先輩にとって
最後…「お前すげぇな」


「…え?」


予想外な言葉。
すごい?なんで??


「お前大会に出れるんだぞ?
三年とかぶっちゃけ
関係なくね?俺はまだ
試合にも出れない」


「甲子園に行きたいって
言ってたけど、試合にも
出れねぇんだから…
お前はすげぇよ」



ボールを強く握り
しめながら言った。

その気持ちがひしひしと
伝わってくる。




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