純血のヴァンパイア
「力は、ヴァンパイアの優月に敵う訳ないし」

そ、それは…そうね。

「武器だって持って無いし。」

それも、そうね。

「でも、優月の力になりたくて…」

その気持ちだけで、十分なのに。

「だから、僕が出来る事って―――」

「雪兎が出来る事?」

静かに頷いて、慎重に言葉を紡ぐ。



「優月が、血に飢えた時は僕の血を吸って?」




「な、何ってるの?そんなの―――」

「出来ない?」

少し悲しそうに、微笑む。

< 144 / 237 >

この作品をシェア

pagetop