純血のヴァンパイア
「当り前でしょう?そんな、血に飢えてる時なんて自制できないのよ?吸い過ぎたら、死んじゃうかもしれないんだよ?」

嫌だ、嫌だ。雪兎が死ぬなんて望んでない。

「それでも、構わない。」

「私が、構うの!雪兎が死ぬのなんて嫌なの!」

「ヴァンパイアにとって、人間なんて命も短いし…僕の事なんてすぐに忘れるよ?」


なんで、そんな事を無邪気に言っちゃうかなー。

人の気持ちも知らないで………


「他のヴァンパイアや、人間なら…そう、思うかもしれない」

でも―――


「雪兎は違う!――――私は、わたしは…」

「何が違うの?」


す、す―――――ダメだ。言えないっ。

きっと今、私の顔は真っ赤になってる。
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