純血のヴァンパイア
雪兎の父親は、血を吸ったとしても

母親だけと決めていたらしく、他の人間には一切手をつけなかった。


人間が好きだから、というのもあるけど

父親は、どうしようもなく母親が好きだからだって

幼い雪兎に話してくれたそうだ。


だからこそ父親は、ずっと違うって根も葉もない噂だって

言い続けてたらしい。

治療に来ていた患者さんも、反論してくれていたけど

地元の大地主が、その噂を信じてしまい

“悪の根源は、根元まで断ち切る”とかで


有志を募って、雪兎の家を、襲撃に来た。


ヴァンパイアである雪兎の一族は、力を使えば

人間なんて、どうとでもなるのにそれをしなかった。


大好きな人間に殺される事を、選んだ。






< 201 / 237 >

この作品をシェア

pagetop