純血のヴァンパイア
「そんな――――」

私は言葉を失い、口元を両手で隠す。

雪兎のお母様は、どんな想いだったのか。

どんなに辛かったことか。はかり知れない――――。


「母は、最期にこう言った。」


ゴメンね、雪兎。

でも、人間を恨まないで。

儚くて、脆くて、弱い人間だけど

私達にはない、温かい心を持ってる。

そんな人間が、お父さんもお母さんも大好きだから。



「そこで、母は僕に術を掛けたんだ。次に目が覚めた時、僕の目の前に居たのは黒ずくめの男性、君の父上だ。」

「え?なんで、お父様が??」

「僕も最初は驚いたんだ。今日、君の父上に会って。」

そうか、ダイニングルームでのあの表情は

緊張してたんじゃ無く、驚いて動けなかったんだ。


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