紺碧の海 金色の砂漠
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舞が目を覚ましたとき、異常なスコールが嘘みたいな晴天だった。

太陽は中空にきている。記憶があるのはヘリの中で、ミシュアル国王にキスしたところまで……。


(まあ、女心とか……。全然計算しないのがアルのいいところだし、ね)


あれがレイ国王だったら、まず舞を抱き締めて無事で良かった、とか言ってから文句を言うだろう。本当はどっちが一番か微妙でも、君が一番、と答えられる人だと思う。そのほうが嬉しいし、女としても気分がいい。

でも、ホントは違うんだろうな、と思えてしまうってことは……。


(わたしって、やっぱりアルが好きなんだ)


と、再確認した。

そういうレイ国王はズルイような気がするのだ。朴念仁で無神経でもミシュアル国王のほうが誠実で嘘がないように感じる。

舞はそんなことを考えつつ周囲を見回した。

 
彼女が寝かされていたのは天蓋つきのベッドである。

だが、王宮にあるようなゴージャスなものではない。シンプルな木枠のベッドで、天蓋に掛けられたレースも……例えは悪いが蚊帳《かや》のような印象だ。

それをくぐり抜け、舞は素足で床に下り立った。


(こ、ここってドコ?)


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