紺碧の海 金色の砂漠
アジュール島の瑠璃宮殿か、本島の王宮に戻るのだろう、と思っていた。しかし……。
その部屋は見たことのない内装だった。
宮殿やホテルの一室というより、平屋のコテージに近い。庭が見える窓はフルオープンでそこから出入りするらしい。庭にはヤシの木が見え、その向こうにプールがある。
でも、反対側の大きめの窓から見える景色は……紺碧の海!
「お目覚めでしょうか?」
背後から声を掛けられ、飛び上がるほどビックリした。
「あ、申し訳ございません、アーイシャ妃殿下。わたくしは当リゾート・スパの女性バトラー、クロエ・アディソンと申します」
長い黒髪を編み込みでビシッと整え、さらにアップにしている。ほつれそうな部分はピンで留める、という念の入れようだ。制服なのかタキシードのようなスーツを着て、細身のズボンが凄くカッコいい。
王宮で出会ったレディ・アンナと同世代かな、と舞は想像した。
「えっと、ここは……リゾート・スパ? あのバトラーって」
「ここは国内で最も美しい砂浜があると言われる、セルリアン島でございます。リゾートホテルが数多く並び、そのほとんどにヘリポートが設置され、中でも当リゾートでは観光用の飛行艇もご利用いただけます――」
その部屋は見たことのない内装だった。
宮殿やホテルの一室というより、平屋のコテージに近い。庭が見える窓はフルオープンでそこから出入りするらしい。庭にはヤシの木が見え、その向こうにプールがある。
でも、反対側の大きめの窓から見える景色は……紺碧の海!
「お目覚めでしょうか?」
背後から声を掛けられ、飛び上がるほどビックリした。
「あ、申し訳ございません、アーイシャ妃殿下。わたくしは当リゾート・スパの女性バトラー、クロエ・アディソンと申します」
長い黒髪を編み込みでビシッと整え、さらにアップにしている。ほつれそうな部分はピンで留める、という念の入れようだ。制服なのかタキシードのようなスーツを着て、細身のズボンが凄くカッコいい。
王宮で出会ったレディ・アンナと同世代かな、と舞は想像した。
「えっと、ここは……リゾート・スパ? あのバトラーって」
「ここは国内で最も美しい砂浜があると言われる、セルリアン島でございます。リゾートホテルが数多く並び、そのほとんどにヘリポートが設置され、中でも当リゾートでは観光用の飛行艇もご利用いただけます――」