紺碧の海 金色の砂漠

(3)ささやかな楽園

(3)ささやかな楽園



カラン、とグラスの中の氷が崩れる音がして……冷たい唇が舞の胸元に落ちてきた。

「ひゃっ……ぁん」


冷たさにびっくりして声がこぼれる。同時に、ゾクリとした快感を覚え……舞は誘惑に近い声を上げた。


「昼間は暑かったであろう? 私が冷やしてやろう」


ミシュアル国王は上目遣いにそんなセリフを呟く。先ほどの不機嫌は何処へやら、随分楽しそうな声である。


「冷やすって……氷?」

「ああ、そうだ。舞、お前の身体からはオレンジの匂いがするぞ」


それはグラスにオレンジジュースが入ってたから……と言いたいのだが、冷たい舌先で舐め上げるように先端を刺激され、不思議な感触に舞のバストはどんどん敏感になってくる。

気持ちよさに身体をくねらせ、舞は懸命に我慢していた。すると、冷たい舌は脇腹を伝って下に向かい、腰辺りに吸い付いたのだ。

肌がぴりぴりと痛むほど吸い上げられ……。


(もうっ! キスマークは恥ずかしいからヤダって言ってるのにっ!)


場所なんてお構いなしに、楽しそうに“自分のモノ”である証を付けて回る。舞が何度抗議しても無視だ。


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