紺碧の海 金色の砂漠
冷たい吐息で胸よりもっと敏感な場所を撫でられては、とてもまともには喋れない。


「様々な手段でお前に悦びを与えたいだけだ。正直に言ってみよ」


舞が答えるより早く、身体のほうが敏感に反応する。

それはミシュアル国王にも伝わったらしく……彼はフッと笑った。


「なるほど、正直な身体だ。褒美を取らせよう」


次の瞬間、灼熱のジャンビーアが舞の中に押し込まれた。その落差に眩暈すら感じる。


「やだ、もう、アル……アルのばかぁ」

「お前の“馬鹿”は“愛している”と同じ意味であったな。いや、この場合“もっと”と言っておるのか」


そんな自分にとって都合の良い解釈をしつつ、ミシュアル国王はカウチソファに悲鳴を上げさせた。



――ダンダンッ! ダンダンダンッ!

不意にドアをノック……というより殴るような音が聞こえる。


「ア、アル……誰か、来た。ちょっと……ストップ」

「馬鹿者! 止まる訳がなかろう!?」

「ええっ!? だって、あ……ん」


『陛下! わたくしでございます。定時連絡が入っておりまして――失礼いたしますぞ』


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