愛と欲望の螺旋(仮)
その疑問が、イラっとした感情を抑えてしまって。
「じゃあ、何のお話ですか?」
思わず聞いてしまった。
「実は、華組に入るには、同人誌自体の審査や、華組候補の審査に使うサンプル用の同人誌の作成、華組の作る同人誌の編集をやってくれる方を探しているんです。」
「そんなの、いくらでもいるじゃないですか?華組は、出版社も絡んでいますよね?」
確か華組に入ると、マネージャーだけじゃなくて、大手出版社の担当編集者がつくんだよね?
わざわざ、私なんかに頼まなくてもいいじゃない。
「そうなんですが、研修生の作品や華組の出す同人誌に関しては、全てこちらの編集になるんです。今までは、華組だった人間などにやっていただいたのですが、どうしても研修生との関係や情などが絡んでしまって。外部でその道に精通している方を探していたんです。」
「それで私に?」
「はい。泉希さんから、宝条さんは、漫画編集になりたいと夢があるのでとお伺いして、それなら是非、バーンブルーの華組部署で働いていただけないかとご連絡しました。」
「それって、バーンブルーで働けってことですか?」
「はい。バーンブルーの華組部署で、契約社員と言う形になりますが…詳しくは、会ってお話しできないですか?」
「お断りします。私、ホームレス同人作家なんです!!」
それだけ言うと、プツッと電話を切ってしまった。
ウソも方便っていい言葉だって思った。