愛と欲望の螺旋(仮)
「本当ですか?」
ゆっくりと振り返った。
その私の顔に浮かぶゆがんだ眉は、疑いを含んでいるから。
「はい。」
優しい面持ちで、ハッキリと答えた。
その答えにどこか安心して。
開けられた助手席に乗ってしまった。
連れられた先は、どこかの大きなマンションだった。
地下の駐車場に車が入った瞬間。
ダマされた!!
その言葉しか頭に浮かばない。
ギュッとシートベルトを握りしめながら、車が止まった瞬間に逃げられるよう。
ドアにもたれかかった。
「安心してください。ここが大帝華劇団の寮兼バーンブルーの社員寮も兼ねていますから。」
「はあ!?どうしてそんな所に?」
一体、何を考えているの?
頭の中には、色々な疑惑が浮かんでは消えて。
黒崎が何をしたいのか?
全く分からない。
…まさか、カラダ目当て?