愛と欲望の螺旋(仮)
「初めまして。バーンブルーの藤原です。」
助手席をのぞき込みながら、ジッと私の顔を見た。
藤原とかいう女の人は、凛とした雰囲気が圧倒されてしまうくらい。
背筋が伸びるような感覚を持っていて、美人なのにどこかカッコよくて。
大人の色気のあるような人。
そのカッコ良さに思わず見とれてしまいそうになる。
「あの…」
戸惑う私を見ると
「安心して。取って食ったりしないから。」
私の手を取って車から降ろした。
藤原って女の人が来たってことは、カラダは無事なのは分かったけど。
もしかして、2人がかりで説得!?
疑問が浮かぶのは簡単だった。
「藤原には、一緒にいてもらうだけです。男の人と2人きりは不安ですよね?」
そう言われても、不安は消えないまま。
押しの強そうなこの女の人がいたら。
断りにくくなると思ったのかな?
だけど、私は雰囲気には飲み込まれない。
グッと手を握りしめた。
2人の後をついて、エレベーターに乗り込んで。
着いたのは最上階。