愛と欲望の螺旋(仮)
その廊下には、いくつか部屋があって。
「どうぞ。」
そう黒崎が言いながら開けられた一番奥の部屋の玄関のドア。
藤原さんの後に続きながら、廊下の突き当たりのドアを開けてリビングに入った。
「どうぞ。座って。」
指差されたソファ。
「はぁ…」
戸惑いながらソファに座った。
部屋の中を見回すと、カウンターキッチンの広いリビング。
廊下には4つドアがあったし、リビングにもドアがついているってことは。
3LDKかな?
なんてこの状況なのに悠長に考えてしまった。
「急に驚かせて悪かったね。」
目の前に黒崎が座って、カウンターのイスに藤原さんが座った。
「はい。」
雰囲気に飲み込まれないように。
ムッとした顔をさせながら、ハッキリと答えた。