愛と欲望の螺旋(仮)

私の座るソファの後ろの壁際には、デスクトップの高そうなパソコンやら、レーザープリンターとか。


隣の本棚には、必要なパソコンのソフトや資料の本などが並んでいる。


「あの…もし、私が断っていたら、これどうしたんですか?」


パソコン周辺を指差しながら、ホームレスはウソって言える隙を探してみた。


「考えていませんでした。」


柔らかく緩む口元は、本当に何も考えてなかったんだって直感が働く。


「そうですか。」


苦笑いするしかない。


「ねえ、黒崎、大事な話が抜けているんじゃない?」


急にカウンターのイスに座っていた藤原さんが言葉を発した。


「大事な話ですか?」


眉をゆがめながら、慌てて藤原さんを見た。


どんな大事な話?


もしかして、華組っていうか、バーンブルーで働いていた時のコネを使うなとか?

< 36 / 69 >

この作品をシェア

pagetop