愛と欲望の螺旋(仮)

それじゃあ、契約した意味はなくなる。


「そうか…いつ話そうかとは思っていたんだけど。」

「なんですか?」


今度は、黒崎の顔を慌てて見た。


「この部屋、黒崎が兄弟で住んでいるから。」


サラッと藤原さんが答えた。


「え!?」


眉をゆがませながら、大きく目を見開いて。


もう一度、藤原さんの顔を見た。


「部屋がここしか今は空がなくて。長男の龍栖(りょうせい)さんは仕事で年に数回しか帰って来ない。次男の湊(みなと)さんはたまに帰ってくるくらいだから安心して。」


その言葉に、耳を疑った。


黒崎3兄弟の家!?


ウソでしょ?


何度も藤原さんと黒崎の顔を見回した。

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