愛と欲望の螺旋(仮)
2時間ちょっとかけて、出来た段ボールの箱は全部で16個。
これを持って帰るのは…ちょっとムリ。
フウッとため息をつきながら、目の前に積み上げられた段ボールを見つめていた。
「持って行くのは大変でしょ?この小さいのだけ持って行って、あとは私が宅配で送るから。」
目の前に置かれた一番小さな段ボールを私の手の中に乗せた。
「すみません。」
相変わらずクールビューティーっていうのかな?
表情なんかないけど、言葉と同時に手が動いていて。
もう、宅配用の伝票を手に記入していた。
「じゃあ、来週の打ち合わせまでに、一通り目を通しておいてね。」
「分かりました。」
軽くおじぎをして、クルリと方向転換をしようとした時だった。
「黒崎との生活は楽しんでいる?」
何気ない藤原さんの問いかけに、一歩踏み出そうとした足を止めた。