愛と欲望の螺旋(仮)

「謝る必要ないでしょ?こういうのは、女の子の特権。」


スッと差し出された手。


優しい微笑みに、私まで優しい気持ちになってしまう。


私にここまで警戒させないなんて、人生でお父さんくらいと思っていたけど。


世の中にはこんな人もいたんだって少し驚いた。


「ありがとうございます。」


求められた握手も、はにかみながら手を差してしまった。


その瞬間。


一瞬にして目の前の景色が回転して。


「裸にエプロンくらい大胆だったら、もっと楽しかったかな?」


そのささやきが、耳元でハッキリと聞こえた。


「え!?」


回転する視界。


黒崎の兄弟の言っている意味も。


回転している視界の状況も全く分からなくて。


何が起こっているの?


今の状況を理解するだけで脳はフル活動。

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