愛と欲望の螺旋(仮)
この人、私を知らない!!
誰かと勘違いしている!!
「勘違いです!!!」
自分でも、どこからこんな力が出て来たのか分からない。
力いっぱい男の体を引きはがすと、乱れたブラウスを握りしめながら。
瞬時にカラダを起こして丸めた。
「……え!?」
戸惑う男の顔。
ピタッと動きが止まった瞬間。
「湊兄(みなにい)!!何やっているんだよ!?」
バンッ!!って、勢いよくリビングのドアが開いたと同時くらいに。
血相を変えた黒崎が飛び込んできた。
「はっ!?」
私と黒崎の顔を交互に見ながら、何が起こっているのか必死に考えている。