愛と欲望の螺旋(仮)
「はっ!?じゃない。話しておいただろ?」
顔をゆがめながら大きなため息をついた。
「……ああ!!!!この子か!!」
大きく目を開きながら、ピシッと私を指差した。
「っとに…」
呆れながらもう一度、大きなため息をついた。
「ってきり、いつもの枕希望かと思ったよ。」
そう言いながら、苦笑いを浮かべた。
「ま…枕希望?」
顔を引きつらせながら、黒崎と湊兄という人の顔を見た。
「芸能界で売れたくて、勝手に色仕掛けしてくる子が多くてね。女に不自由はしてないけど、据え膳食わなかったら、女の子に悪いでしょ?」
初めて会った時の優しいほほえみを浮かべられたけど。
この男にやられたことと、言葉の内容に顔は引きつったまま。
プルプルと小さく首を横に振って。
『最低!!』
って、言葉にならない感情を表すのが精一杯。
「ごめん。大丈夫だった?」
黒崎は申し訳なさそうな顔をしながら私の目の前にしゃがみ込むと、スッと手を差し出した。
差し出された手を見たのは一瞬。