愛と欲望の螺旋(仮)
「宝条さんが話せないなら、部署の人間を内定に送るけど、一番彼女達の身近な人間から聞けたらと思ってね…お礼はさせてもらうから。」
パソコンデスクに手をつきながら、そっと私の顔をのぞき込んでほほ笑んだ。
「お礼…ですか?」
少し身をすくめると、ジッと黒崎の顔を見上げた。
なんか、イヤな予感がするのは気のせい?
ただ、黒崎の顔が近くて。
身の危険を感じているだけかもしれない。
「明日の選考委員会で、各出版社の編集長と打ち合わせをするんですけど、その席にご招待します。」
私のツボを心得て来たみたいで。
そんなお礼、断ることが出来ないのを知っている。
だから自然と
「本当に…今回だけですよ?」
渋々、了承するしかない。
「ありがとう。」
ポンと肩を叩くと、ソファに置いたカバンの中から、いくつかのファイルを取り出して、私の目の前に差し出した。
「な…何ですか?」
ファイルと黒崎の顔を交互に見比べながら、不思議そうな顔を浮かべる。