人生はドラマである
俺が「オアシス」に現れないことを心配して、彼女が俺との会話から推測に推測を重ね、やっとの思いで俺の家に辿りついたのがつい一昨日のこと。
あろうことか、いきなりの翼との対面だった。
間の悪いことに、翼が発熱して保育園を休んでいたのだ。
最初は驚いたゆかりだったけど、直ぐに落ち着いて「良かった、ショウくんが元気そうで」なんて笑って帰っていった。
次の日から、俺が「オアシス」に足を運べない理由を察したゆかりが手伝いと称して俺の家を訪れるようになった。
俺は、只差し伸べられた手を有難く受け止めた。
まさに猫の手も借りたい有り様だったのだ。
――俺が病気の子供の面倒見ながら仕事するなんて、前代みもんだろぉ~
ゆかりが何も尋ねないことをいいことに、俺は説明を怠った。
あんな、ガキのせいにするのも大人げない。
この状況は、まさに身から出た錆だったのだ。