人生はドラマである


――って、どういうことだろ?

佐藤さんは男だけど、パパのことがすきだった、ってこと?


友達として、普通のことだとは思うけど。


でも……、

ママの報告って、何のことだろ?


「ツバちゃん、ツバちゃん、起きて! 着いたわよ」


ママに呼ばれて目が覚めた。


僕は考えながら、不覚にも眠ってしまったみたいだ。

寝ぼけた僕を、佐藤さんが抱きかかえて歩いてくれた。

まぁ、いつものことだけどね。

傍から見たら、まるで親子のようなこの光景が、僕は割と好きだったりする。


――なんとなく判るだろ?


だからこの後、墓前でママが口にした報告を聞いて、僕が少なからず落胆したのは否めない。


――まぁ、それはここだけの話。

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