人生はドラマである
気が付いたらベットの上にいた。
「ツバちゃん……、
やっと気が付いた、心配したのよ。
雅也さんが追いつかなかったら、たいへんなことになってた。
ママの心臓、止まっちゃうわよ」
目の前には、涙でくしゃくしゃのママの顔があった。
どうやら僕は、車の行きかう大通りに飛び出す寸前で、結城さんに抱きとめられたらしい。
勢い転げた結城さんも、腕を大きく擦りむいて、大げさな包帯でぐるぐる巻きにされていた。
「いや……、僕が不用意なこと言っちゃったから。
ツバサくん、すまなかった。びっくりしたよな」
そしてようやく僕は思い出したんだ、あの時のやりとりを。