人生はドラマである
ママを送ってきた結城さんが、玄関先でママにキスをしていた。
僕だってレンアイに理解が無い訳じゃない。
好き合った者同士のキスを咎めるつもりは毛頭ない。
でも……、
「結城さんは僕からママを取るつもりなんだ!
僕は絶対認めない!
僕が早く大きくなってママを幸せにするんだ!」
彼の真意を確かめたくて、僕は二人の結婚に強い反対の意思をぶつけたのだ。
彼がそれで引くならそれまでだし。
それでもママと結婚するっていうのなら、僕の存在を否応が無しに認識することになる。
だって……、
彼は、ママと僕の強い結びつきにもっと配慮すべきなんだ。
ところが、僕の一世一代の大芝居にもひるむことなく、彼は僕に容赦なく爆弾を投げてよこした。