龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
むせ返るような桜の匂いが鼻をついた。
悟くんは、どこ?
圭吾さんが、わたしをそっと床に下ろす。
「要、どうだ?」
「しぶとい。空気穴を開けるのがやっとだ」
出せないんだ――圭吾さんはそう言っていたよね。
嘘でしょ?
「圭吾さん? 悟くんは?」
わたしは恐る恐る聞いた。
「あの中だ」
悟くんは、どこ?
圭吾さんが、わたしをそっと床に下ろす。
「要、どうだ?」
「しぶとい。空気穴を開けるのがやっとだ」
出せないんだ――圭吾さんはそう言っていたよね。
嘘でしょ?
「圭吾さん? 悟くんは?」
わたしは恐る恐る聞いた。
「あの中だ」