愛を叫んで地に堕ちて〈全イラスト41枚つき恋愛ホラー〉
 やがて、夏の陽がほとんど落ちて、暗くなり。

 屋上から、下が見渡せなくなる、寸前。

 ようやく、演劇部員のメンバーが、帰って来た。

 まず、演劇の小道具にでも使うのか。

 背中に剣道で使うような竹刀袋を背負った凪が一人で、別荘の門をくぐった。

 勇斗に気づいたのか、凪は、ちらっと別荘の屋上に目を向けて、すぐ逸らすと足早に、別荘の中に入ってゆく。

 そのあと、少し経ってから、男女が混ざった四、五名の演劇部員がつづき。

 その中に、真珠が、いつもと変わらない、落ち着いた様子で女子と話しながら玄関に向かっている。

 それを見て、ほっとした勇斗は、屋上のフェンスごしに叫んだ。

「おーーい、真珠!」

 けれども。

 勇斗の声は、真珠には届かずに、別の相手の耳に入ったようだった。

「……恥ずかしいヤツだな。
 ちいせぇガキじゃあるまいし!
 そんな大声を出しやがって」

 その不快な声と内容に、勇斗が振り向けば。

 そこに、海野凪の姿があった。

 凪は、勇斗に話があったから、真珠達の少し前を歩いて来たらしい。

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