ナツメ
「わたし、あっちで犬見てるから」
「はいはい」

犬、猫、うさぎにモルモット。
リスにハムスター。
それから小鳥。

鳥かごに閉じ込められた鳥を見て、わたしだと思った。

羽根をたたんで小さな籠に閉じ込められた飛べない鳥。
美しい羽根を持ちながら決して大空を自由に飛べない鳥。


あの部屋は牢獄ではなくて、鳥かごだったんだと今さら思う。

そしてナツメもまた飛べない鳥だったのだと。

「インコ飼えるかなぁ。大家さんに聞いてみよ」

ちゅんちゅんと鈴を転がしたような鳴き声。
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