本気の恋の始め方
「――私はあなたの子分になった覚えはありませんが」
かけそばを綺麗に食べ終わった彼は、ペーパーで口元を拭い、私達を見つめる。
清潔感のある短めの黒髪に、縁なし眼鏡。すっきりした感じの美形だけど、なんていうか怖い。
その背筋も凍りそうな絶対零度の眼差しに、私はとっさに
「すみません」
と謝ってしまった。
なのに鮎子さんは
「なに言ってんのよ。会長が鮎子の子分にしていいっておっしゃったのよ。だから五所野緒は私の子分でいいの」
絶対零度の眼差しにも、全くたじろいでいないように見える。
さすが鮎子さん……。
「――」
ゴショノオさんはすっと目を細め鮎子さんを見つめている。