本気の恋の始め方
カウンターへ一直線に向かい注文票を書いて差し出した。
「マーケティング部です。日本茶を10人分お願いします」
「かしこまりました。何時ですか?」
「14時からです」
「ではそこで座ってお待ちください」
言われるがまま、近くのソファーに腰を下ろして待っていると
「潤さん」
少し弾んだ声が、私の名前を呼んだ。
顔をあげると、もちろん千野君で。
「職場で名前を呼んじゃだめよ」
いくら部内の人がいないとはいえ、こういう不意打ちは困る……というか、心臓に悪い。
「ごめんなさい」
彼はたしなめる私に向かって少し肩をすくめ、けれど悪いとは思ってなさそうないたずらっぽい笑顔を浮かべる。