本気の恋の始め方
「さっきですね、芙蓉堂さんが自社製品持ってきてくれたんですよ。お茶と一緒に出しましょうってことになったので、手伝います」
彼の手には芙蓉堂の薄桃色の箱。
ふたを開けると、ぎっしりと個別包装されたおまんじゅうが入っていた。
中身を一個だけ取り出すと、残りを箱ごとお茶の用意をしているカウンターの中の人へと渡す。
「これも一緒にお願いします」
そして足早に私の座るソファーへと戻ってきて、にこにこ顔で腰を下ろした。
「一個、半分こしましょう」
さっと二つに割ると、つまんで私の口元へと差し出す。
「はい、あーん」
「えっ……でも」
「たくさんあるから大丈夫ですよ。はい、あーん」