本気の恋の始め方

たくさんあるとかそういう意味じゃなくて……。


困惑しつつも見上げると無邪気な笑顔。

カウンターからは観葉植物で死角になっているけど……いつまでもこんなことしてたら、誰かに見られてしまうかも。



「――あ、ありがとう」



おそるおそる口を開けると同時に、おまんじゅうを押し込まれた。

そしゃくすると口の中いっぱいに、幸せの味が広がる。



「おいしい……」



思わず頬が緩んだ。



「ふふ。潤さん甘いもの食べてるとき、ほんといい顔しますね」



そう言って千野君は残りを口の中に放りこみ、

「今キスしたら、俺たち同じ味なんだよ」

と、びっくりするようなことを口にする。





< 121 / 446 >

この作品をシェア

pagetop