本気の恋の始め方
「三木さん、お願いします」
千野君がお盆の一つを私に差し出す。
「あっ、はい。すみません!」
慌ててお盆を受け取り、全員分のお茶とお菓子を配ったあと、頭が真っ白のまま会議室を一人で退出していた。
「――ッ……」
足から力が抜けた。
お盆を抱えて、その場に座り込む。
るうくん……
本物のるうくんだ!
彼が就職したのは中堅どころの広告代理店だったはず。
どうして芙蓉堂にいるの!?
かあっと頭に血が上って、訳が分からなくなる。
おおおおお、落ち着け三木潤!!