本気の恋の始め方

「あ、ごめんなさい。こっちよ」



無理やり千野君から目を逸らし、私はるうくんと一緒にティールームへと足を踏み入れる。





夕方のティールームは少し混んでいた。

けれど奥のほうの、お客様用のスペースが空いていたから、コーヒーをカウンターで受け取って彼と二人そこへ座った。


いざ面と向かって座ると、少し緊張する。


だけどいつまでもこうして、コーヒーカップをスプーンでくるくる回している訳にはいかない。



意を決して顔をあげると

「「あの」」

声が丸かぶりして。



「――あ。悪い」

「いや、塁から」



なんて譲り合ってしまう。

なんだかもどかしい……。



目の前に座っているるうくんは、濃いめのグレーのスーツにきっちりした襟の白いシャツ。
パープルの折り柄が入ったストライプタイを合わせて、とても似合ってる。

相変わらずスタイルいいし……。


るうくん、私が思う以上に大人だ。




< 132 / 446 >

この作品をシェア

pagetop