本気の恋の始め方
「あ、ごめんなさい。こっちよ」
無理やり千野君から目を逸らし、私はるうくんと一緒にティールームへと足を踏み入れる。
夕方のティールームは少し混んでいた。
けれど奥のほうの、お客様用のスペースが空いていたから、コーヒーをカウンターで受け取って彼と二人そこへ座った。
いざ面と向かって座ると、少し緊張する。
だけどいつまでもこうして、コーヒーカップをスプーンでくるくる回している訳にはいかない。
意を決して顔をあげると
「「あの」」
声が丸かぶりして。
「――あ。悪い」
「いや、塁から」
なんて譲り合ってしまう。
なんだかもどかしい……。
目の前に座っているるうくんは、濃いめのグレーのスーツにきっちりした襟の白いシャツ。
パープルの折り柄が入ったストライプタイを合わせて、とても似合ってる。
相変わらずスタイルいいし……。
るうくん、私が思う以上に大人だ。