本気の恋の始め方

「おまえさ、あのあと……引っ越しただろ?」



あのあと、という言葉に胸がきしんだ。

けれどそんなそぶりを見せず、私は軽くうなずく。



「何年経ってるっけ……」



本当はわかってるけど、そんなことをつぶやいた私に

「お前が十九で、俺が二十二だったから。四年だな」

と、るうくん。




「そっか……」



あれからもうそんなに経ってるんだ。


頭ではわかっていたつもりだけど、あの時私は十九歳だったって言われたら、ものすごく昔のような、そんな気がした。



私が短大に入学して迎えた最初の冬。

お父さんの転勤が急に決まって、お母さんはついていくことになり引っ越すことになった。

私は卒業まで一年あったから、短大の近くで一人暮らしを始めた。

ちなみに今のアパートは、そのときからずっと住んでいる住み慣れた場所だ。




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