本気の恋の始め方
「千野君」
「はい」
千野君は私の呼びかけに、ぴんと背筋を伸ばして正面から私を見つめる。
「その、さっきの続きだけど……」
「あ」
「その……」
私の言葉の先を待つ千野君の視線がまぶしい。
どうしよう。
いざ改まると、また言葉が出てこなくなった。
「――」
また顔がカーッと熱くなる。
思わず千野君から目を逸らしてうつむいてしまった。
私のバカ。
さっきの決意はどこへ行ったの?
「私……」
それから一呼吸して
「潤さん」
膝の上で握りしめた手に、千野君の大きな手が重なった。
顔を上げるとすぐ目の前に、膝をついた状態の千野君が迫っていた。
とても真剣な眼差しで。
「さっき、言いかけてたことですけど……」
「……うん」
「俺……やっぱり勘違いしそうになりました。こういう二人きりの状況も、やばい……気持ち抑えられないし、抱きしめたくて、たまらなくなる」
「千野君……」