本気の恋の始め方
お茶のセットを片づけていると、大荷物を抱えた千野君が帰ってきた。
着替えどころか、新しいスーツやクリーニングされたシャツまで持ってる。
「ずいぶんお友達の家に入り浸ってるのね」
「え!? あ、はい、かなり」
千野君はあははと苦笑しながら荷物を床に置き、それからまた私をぎゅうっと抱きしめる。
「潤さん、わがまま聞いてくれてありがとう」
「千野君……」
「大事にします。潤さんのこと。宝物だから、精一杯大事にします」
優しく、何度も、千野君はささやく。
宝物だなんて、私にはもったいなさすぎる言葉だけど、嬉しかった。
「ありがとう」
自然と彼の背中に腕を回していた。