本気の恋の始め方
その姿に、過去の思い出が針になって、チクッと胸を刺す。
違う。千野君は、千野君だ。
シーツの上にゆっくりと押し倒される体
私は目を閉じて、千野君の首の後ろに手を回す。
まぶたの裏に浮かぶ彼の面影は、すぐに見えなくなった。
――――……
「なんでもう着替えてるんですか」
先にシャワーを浴びて、スーツに着替えて戻った私を見て、千野君がベッドの上で捨てられた子犬みたいな顔をした。
部屋に備え付けられたガウンは、Lサイズでも、背が高く手足の長い千野君にはちょっと丈が足らない感じ。
ほんと、スタイルいいんだなぁ……。
なんだかちょっとコミカルで、今日初めて彼をかわいいと思ったりして。