本気の恋の始め方

窓の外の流れる夜景を眺めながら、体に残る快感の余韻に戸惑う。


千野君は、おぼっちゃまっぽい顔をしていながら、脱ぐと意外にたくましかった。

アルコールのせいもあったのかもしれないけれど、驚くほど自由に私を抱いて、翻弄した。


一度抱かれてしまえば、そのまま身を任せているだけで、大きな波に押し流されるように、ことが終わってしまった。


だけど、初めてって……。


思わずクスッと笑ってしまう。


まぁ確かに。遊び慣れているに違いない彼からしたら、たった一度しか経験のない私は、たしかに「初めて」みたいなものなのかもしれない。

そう。私は過去に一度しか経験がなかった。



最初で最後の経験を後生大事に抱えているのがいやで、私は千野君を利用したんだ。




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