本気の恋の始め方

「あ……ありがと」

「おう」



二人でそのまま、るうくんの部屋に向かう。



しんと静かな部屋。憧れたるうくんの部屋。


ベッドとオーディオセットと本棚しかないフローリングの部屋は、案外きれいに片づけられている。


高校生くらいまで、片づけができてないっていつもおばさんに叱られていたっけ……。



「片付いてるね」

「ここんとこずっと寝に帰るだけだからな。散らかる暇ねぇし……」



何気ない彼の言葉に視界の隅にベッドが入り込む。


おばさまの趣味に違いない、アイアンワークの飾りがヘッドについた素敵なベッド。



るうくんはここで――


あの子……



彼を『るうくん』と呼んだ、一度だけ見た、きれいなあの子と……



ここで――



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