本気の恋の始め方

「――」



ネクタイだけじゃなくて、首もともゆるめてあげたほうがいいよね。


震える手で、ワイシャツの一番上のボタンを外した。



「――なにが、あったの……?」

「――」

「るうくん……」



うつむいたるうくんの肩がぴくりと揺れた。



「俺じゃ……」

「え……?」

「俺じゃ、だめだって……」



ぽつりぽつりと、口にするるうくん。


かすかに震えている。



『俺じゃだめ』



その言葉に、私の胸の柔らかい場所を針で突かれたような気がした。


それって……誰から、言われたの?



私より大きくて、強くて、きれいなるうくん。

だけど今は、すごく小さい。

傷ついてる……。



苦しそうな彼を見ると私も苦しい。



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