本気の恋の始め方
目が覚めたら、ベッドの中だった。
枕元には、床に座ったままうつぶせに顔を埋めている千野君。
「千野君……?」
そっと声をかけると、眠りが浅かったのか、はっとした表情で顔を上げる。
「やばい、寝ちゃった」
くしゃくしゃと髪をかき回して、それからとても心配そうに眉を寄せて顔をのぞき込んでくる。
「大丈夫ですか? 気分悪くないですか?」
「ううん、ちっとも……」
回らない頭で考える。
気分って……
「覚えてない? 潤さん、お風呂で倒れたんですよ」
「――あ」
「救急車呼ぼうとしたら、潤さん『ただの立ちくらみだから、寝てれば大丈夫』って言い張って……」
そうい言われれば、もうろうとしながらそんなこと言ったかも。
「本当に心配したんだから……」
千野君は大きな手で私の額に手を置いて、はぁっとため息をついた。